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Add Japanese translation of DeepNVMe blog (#5845)
This PR adds the Japanese translation of the DeepNVMe blog.
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Original file line number | Diff line number | Diff line change |
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# DeepNVMe: I/O最適化による深層学習アプリケーションの高速化 | ||
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# はじめに | ||
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深層学習(Deep Learning)は、言語、音声、ビデオ、マルチモーダルアプリケーションなどの重要なAIの応用領域において、かつてない進歩を続けています。この進歩の鍵となる要因は、モデルサイズ、シーケンス長、ハードウェア並列性などの複数の次元での劇的なスケーラビリティです。システムの観点から見ると、深層学習のスケーラビリティは計算、メモリ、通信、ストレージなどの重要なサブシステムに大きな負荷をかけます。しかし、既存の取り組みは、ストレージサブシステムの最適化はほとんど扱われておらず、データロード、モデルチェックポイント、オフロードなどのI/O操作が大規模な深層学習の主要なボトルネックとなっています。この問題に対処するために、DeepSpeedは一連のI/O最適化機能を「DeepNVMe」と呼ばれる形で提供します。 | ||
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DeepNVMeは、I/O操作の高速化とハードウェア要件の緩和によって、I/Oがボトルネックとなる深層学習アプリケーションのパフォーマンスと効率を向上させます。これを実現するために、Non-Volatile Memory Express(NVMe)やSSD、NVIDIA Magnum IO `<sup>`TM `</sup>` GPUDirect® Storage(GDS)などのストレージ技術を活用しています。このブログでは、マイクロベンチマークと推論アプリケーションの性能評価結果に基づいて、DeepNVMeの利点を示します。Azure NC96ads_A100_v4 VMで実施された実験では、DeepNVMeがGPUまたはCPUメモリへのデータ転送で利用可能なNVMe帯域幅を最大限に活用し、最大10GB/秒の読み取りと5GB/秒の書き込みを達成しました。 | ||
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# 背景 | ||
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永続ストレージへの高性能アクセスは、深層学習を含む多くのコンピューティングドメインで共通の課題です。これに対して、多くのハードウェアおよびソフトウェアソリューションが提案されています。DeepNVMeは、以下の3つのソリューションを基に構築されています。(1) NVMe SSD、(2) NVIDIA GDS、(3) Linux非同期I/O(libaio)。これらの技術について簡単に説明します。 | ||
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NVMe SSDは、現代のサーバーで主要な永続ストレージとして、従来の遅いハードディスクドライブ(HDD)に取って代わるフラッシュベースのストレージデバイスです。たとえば、Azure NC96ads_A100_v4 VMには4つのNVMe SSDが装備されており、それぞれが3.25 GB/秒の読み取り速度を持ち、RAID-0構成で組み合わせると理論上の合計読み取り帯域幅は13 GB/秒となります。NVIDIA GDSは、NVMeとGPUメモリ間の直接転送を可能にすることで、中間のCPUメモリ(バウンスバッファ)を使用する従来のアプローチの非効率を回避します。NVIDIA GDSは、CUDAバージョン11.4以上で利用可能です。最後に、libaioは、従来のI/Oスタックと比較して、NVMe SSDのような高速ストレージデバイスの性能をより引き出すためにLinuxに導入された非同期I/Oスタックです。 | ||
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# DeepNVMe: 深層学習のためのI/O最適化モジュール | ||
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DeepNVMeは、以下の2つの主要な設計原則に基づいて開発されたPythonモジュールです。第一に、上記のストレージ技術を活用して、ノンブロッキングI/O操作、I/O操作の一括送信、個々のI/O操作の並列化、軽量なランタイムなどの最適化を実装しています。第二に、これらのI/O最適化をシンプルなPOSIXライクなインターフェースを通じて提供し、深層学習アプリケーションへの容易な統合を促進し、基盤となっている複雑な技術を直接扱うことなく、その性能を活用することを可能にします。 | ||
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# 評価 | ||
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実験は、Azure NC96ads_A100_v4 VMで実施されました。設定の詳細は表1の通りです。 | ||
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<img src="../media/table1.png" style="width:6.5in;height:3.42153in" /> | ||
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表1: 実験設定の詳細 | ||
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## マイクロベンチマーク | ||
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評価には3つのベンチマークツールを使用しました。一つ目は、C言語で書かれた一般的なI/Oベンチマークツールであるfioです。次に、GDSパフォーマンスのベンチマークを行うためのNVIDIAのgdsioです。最後に、DeepNVMeとの容易な統合のために我々た作成したds_ioです。ds_ioは、深層学習アプリケーションで代表的に使用されるPythonで作成されています。 | ||
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## CPUバッファを使用したNVMeスケーリングによる高性能I/O | ||
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最初のマイクロベンチマーク評価では、fioとds_ioを使用して、NVMeとCPUメモリ間で1GBのデータを転送するパフォーマンスを測定しました。これらの実験ではfioをlibaioバックエンドに設定しました。結果は図1の通りです。ここから、2つの点が読み取れます。第一に、DeepNVMeは、深層学習アプリケーションにおける性能改善を目指したものであるにも関わらず、このマイクロベンチマークでもfioに匹敵する高性能を示しています。第二に、DeepNVMeは、利用可能なNVMe帯域幅にほぼ線形にスケールし、10GB/秒の読み取りおよび5GB/秒の書き込み速度を達成しています。 | ||
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<img src="../media/figure1.png" style="width:6.5in;height:3.42153in" /> | ||
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図1: DeepNVMeを使用したNVMeとCPUバッファ間のデータ転送のスケーリング | ||
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## GPUバッファを使用したNVMeスケーリングによる高性能I/O | ||
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二つ目のマイクロベンチマーク評価では、gdsioとds_ioを使用して、NVMeとGPUメモリ間で1GBのデータ転送のパフォーマンスを測定しました。この実験では、ds_ioを従来のバウンスバッファアプローチとより効率的なGDSアプローチの両方で設定します。結果は図2の通りです。ここから、次の3点が観察できます。第一にGDSを用いるケースで、従来のバウンスバッファアプローチと比較して、DeepNVMeは最大で37%のスピードアップを実現しています。第二に、DeepNVMeは、深層学習アプリケーションのために作成されたものであるにも関わらず、gdsioに匹敵する(時にはそれを上回る)高性能を示します。第三に、DeepNVMeは、GDSの有無にかかわらず、NVMe帯域幅を最大限に活用できます。GDSを使用した場合、DeepNVMeは最大9.6GB/秒の読み取りおよび5GB/秒の書き込み速度を達成し、GDSを使用しない場合は7GB/秒の読み取りおよび4GB/秒の書き込み速度を達成します。 | ||
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<img src="../media/figure2.png" style="width:6.5in;height:3.42153in" /> | ||
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図2: DeepNVMeを使用したNVMeとGPUメモリ間のデータ転送のスケーリング | ||
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## ZeRO-Inference: 生成AIパフォーマンス | ||
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ZeRO-Inferenceは、モデルの重み(パラメータ)をCPUまたはNVMeメモリにオフロードすることで、大規模モデルの推論に必要なハードウェアコストを削減し、限られたハードウェア資源しかないユーザでも大規模モデルを活用できるようにするための技術です。ZeRO-Inferenceは、オフライン推論などのスループット指向のアプリケーションや、ハードウェア予算が限られているシナリオに適しています。DeepNVMeのNVMeオフロードのパフォーマンスを評価するために、トークン生成ワークロードを使用します。 | ||
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## NVMeスケーリングによる高性能オフロード | ||
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LLAMA3-70Bモデルの推論を単一のNVIDIA A100-80GBで、プロンプト長512、生成長32、バッチサイズ96で実行し、生成スループットを測定します。NVMe SSDの数を1から4までスケーリングし、GDSの有無でZeRO-Inferenceの結果を図3に示します。この結果から、2つの観察ができます。第一に、GDSはバウンスバッファアプローチと比較して一貫して優れたパフォーマンスを提供し、トークン生成を10-18%高速化します。第二に、DeepNVMeは、GDSの有無にかかわらず、利用可能なNVMe帯域幅にスケールします。4つのNVMe SSDを使用する場合、DeepNVMeはGDSを使用して1秒あたり7トークン、GDSを使用しない場合は1秒あたり6トークンの生成スループットを達成します。プロファイリング結果は、DeepNVMeがより多くのNVMe帯域幅で引き続きスケールし、生成アプリケーションのパフォーマンスを低コストで向上できることを示しています。 | ||
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<img src="../media/figure3.png" style="width:6.5in;height:3.42153in" /> | ||
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図3: DeepNVMeを使用したLLAMA3-70Bトークン生成パフォーマンスのNVMeオフロードによるスケーリング | ||
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# まとめ | ||
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このブログ記事では、深層学習のスケーラビリティにおいて主要なボトルネックとなるI/O操作を最適化する、DeepNVMeを紹介しました。DeepNVMeは、NVMe SSDやNVIDIA GDSなどのストレージ技術に基づいた最適化を通じて、永続ストレージと深層学習アプリケーションのデータ転送を高速かつ効率的に実現します。Azure NC96ads_A100_v4 VMでの単一A100-80GB GPUを使用したLLAMA3-70Bトークン生成において、DeepNVMeを使用することで、NVMeオフロードで最大7トークン/秒の生成スループットを達成しました。DeepNVMeはオープンソース化され、DeepSpeedバージョン[0.15.0](https://github.com/microsoft/DeepSpeed/releases/tag/v0.15.0).以上で利用可能です。今後のブログでは、モデルチェックポイントやデータロードなどの他のI/Oがボトルネックとなる深層学習アプリケーションに対するDeepNVMeの改善について報告します。 | ||
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# 謝辞 | ||
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この成果は、MicrosoftとNVIDIAの協力によるものです。MicrosoftからはJoe Mayer、Martin Cai、Olatunji Ruwase、NVIDIAからはKiran Modukuri、Vahid Noormofidi、Sourab Gupta、Sandeep Joshiが貢献しました。 |